株式会社しめしめ

日記や、経済時事ネタの評価をしています。

お金の価値について、復習しましょう

 九州の大雨が、今日も続いています。被害が大きくならないことを願うばかりです。

 

 ネットの記事で、見慣れた説明を見つけました。2022年6月21日の記事に、「お金はありがとう」「お金が集まればチャンスに変わる」と書きました。お金はあくまでも、便利な道具です。

 昨日の記事では増税に関する内容を書きましたが、なぜ財務省は「増税」が好きなのか…森永卓郎が「財務省の役人はあえて経済学を無視している」と考えるワケ(プレジデントオンライン)という記事があったので、ちょっとお金の価値について復習しましょう。記事の大筋は以下の通りです。乱暴な抜粋なので、原典をご確認ください。

 

 大蔵省(財務省)のキャリア官僚というのは、東大法学部出身者が多い。出世コースに乗っている人に限れば圧倒的に東大法学部だ。

 法学部出身だから、あまり経済学を勉強していない。

 だから、財政均衡、すなわち税収の範囲内に歳出を収めるという経済学的にはありえない話を「正しい」と思い込んでしまったのだ。

 経済学には、一般常識とは異なることがいくつもある。

 たとえば、銀行の貸出だ。

 銀行は最初の預金の何倍も融資をすることができる。これを経済学では信用創造」と呼んでいる。銀行はお金を創り出すことができるのだ。

 財政も同じで、自国通貨を持っている国は、財政均衡に縛られずに、より柔軟な財政政策をとることができる財政赤字は、ある程度拡大させ続けて大丈夫なのだ。

 

 経済学で言う信用創造の説明では、合っているでしょう。しかし私は、費用対効果の観点が、意図的かどうかは分かりませんが、抜けていると思います。

 

 私は消費する際、生き金になるのか死に金になるのか、気にしてしまいます。これまでに国債を発行して行った公共事業は、生き金になっているのでしょうか?

 ※以下、分かりやすさを優先するために、ちょっと人でなしな表現をします。ご了承ください※

 

 例えば、山奥に道路を作ったとします。林業に役立ったり、幹線道路として都市部に商品を出荷することに使われているなら、問題ないでしょう。しかし、滅多に人が通らない道であったなら、費用対効果がないと言わざるを得ません。インフラには維持費もかかります。いくら投資してどれだけ回収できたか、検証が必要です。

 

 同じように、シルバー民主主義と言われる日本の現状は、どうでしょうか?

 年金や健康保険などの社会保障費が、雪だるま式に増えています。一方、子育て支援少子化対策は緒についたばかりです。豊かな日本を作った諸先輩方に感謝しますが、富の分配が偏り過ぎだと思います。私は1991年に大学で、人口ピラミッドから将来の少子高齢化社会保障の破綻の可能性について、授業で習いました。30年以上、この問題が放置されてきた訳です。

 費用対効果を無視した富の偏在の結果が、少子高齢化です。タイミング悪く、円安で外国人労働者からも日本は忌避されています。労働者人口が上向くためには、「異次元」の対策が必要です。

 

 上記の例から、「コンクリートハコモノ)」ではなく「人」への投資(財政支出)が必要だったが、長い間、費用対効果の悪いお金の使い方をしてきたことが分かると思います。理由は、あえて書きません。

 

 話を戻します。

 ブログの引用で、信用創造でお金を創り出すことができる」と書いています。お金(マネーサプライ)を増やしても費用対効果が悪ければ富の裏付けがないので、「信用収縮」が起きるでしょう。分かりやすく言えば、お金の価値が薄まるのです。お金の価値が薄くなるなら、お金を回収すれば良い。増税です。でも、増税の過程で財政支出バブルが弾け、激動の時代を迎えるかもしれません。

 

 日本の国際競争力が35位まで落ちたことは、ご存知でしょう。円の価値を維持したままのバラマキ(マネーサプライの拡大)の恩恵を受けることは、もう難しい気がします。このままだと円安が進み、庶民の生活を圧迫することになるであろうことは、多くの報道で予想されているところです。

 

 お金は便利な道具ですが、使い方を誤ると困った状況をつくり出します。でも、困った状況には、チャンスも多いものです。

 

 私はこれまで過去の記事で、トリプル安(株安・円安・債券安)によるバブル崩壊で、チャンスが訪れると予想していました。そろそろ大詰めにきた気がします。多くの予想では、来年のアメリカ大統領選挙まで景気は拡大するようですが、マーケット(市場)は待ってくれるのでしょうか?

 バブルは崩壊しない方がいいですが、どうせ弾けるなら「しめしめ」したい、と思います。

 

 今日はちょっと辛辣な表現もありましたが、最後までお読みいただき、ありがとうございました。