株式会社しめしめ

日記や、経済時事ネタの評価をしています。

しめしめする場所について

 スーダンの正規軍と即応支援部隊(RSF)が、72時間の停戦で合意したと、ブリンケン国務長官が発表しました。一般市民や外国人など、避難して安全を確保して欲しいですね。

 そもそもスーダンで内戦が始まったのは、ロシアのワグネルが金をロシアに密輸したことが原因との報道もあります。内戦終了後にしっかりとした検証が行われない限り本当の事は分かりませんが、ロシアの戦費のために内戦になったとすれば、不幸なことです。戦争が広がりかねません。

スーダンで「ワグネル」の影 ロシアの雇い兵組織は何を狙っているのか - BBCニュース

 

 このブログは「しめしめ」を目的としていることから、あまり機微に触れる内容は書きたくありませんが、地政学的視点で最近のニュースを考えてみます。

 

 先日、アメリカの海兵隊が「トマホーク」大隊新設するとの記事が出ました。ご記憶の方も、多いと思います。日本には配備されない理由として理解が得られないとありますが、日本は購入してアメリカのために使用してくれるのですから、自腹で配備するはずはありません。

米海兵隊、30年までに「トマホーク」大隊新設へ 日本配備は見送り(毎日新聞) - Yahoo!ニュース

 米海兵隊は、新たに導入する地上発射型の長射程巡航ミサイル「トマホーク」(射程1600キロ以上)の砲兵大隊を西部カリフォルニア州を拠点とする第11海兵連隊(砲兵)に2030年までに新設する方針を決めた。海兵隊のトマホークは日本に配備される可能性もあったが、外国への配備は見送り、米本土を拠点にして有事の際に前線に派遣する形で運用することになった。

 日本は22年に決めた反撃能力保有の先駆けとしてトマホーク400発の導入を決めている。購入するのは既に米海軍が運用している海上発射型で、海兵隊が導入する地上発射型とは戦術的に異なる。地上発射型は補給が容易という利点があり、空輸も可能な移動式発射機とセットで使うことで敵の攻撃を回避する対策も進んでいる。

 

 不平を言うためにこの記事を取り上げたのではありません。その後の日本の動きが変なので、冷静に分析する必要があると思いました。PAC3石垣島与那国島に配備し、今後、宮古島にも配備するようです。私はこれらのニュースから、2点、注意しておくべきと考えます。

浜田防衛相、北朝鮮ミサイル迎撃準備を命令 「軍事衛星」発射に対応 陸海空自衛隊、沖縄へ展開(時事通信) - Yahoo!ニュース

 浜田靖一防衛相は22日、北朝鮮弾道ミサイルが日本の領域に落下する事態に備え、破壊措置の準備を自衛隊に命令した。

 これを受け、陸海空自衛隊の関係部隊は沖縄方面を中心に、ミサイル防衛(MD)による迎撃に必要な態勢に入る。北朝鮮金正恩朝鮮労働党総書記が「軍事偵察衛星」の打ち上げを指示したことを踏まえた対応だ。

観光の島が国防の島に 国境の小さな島 住民、国防問題に翻弄 与那国にPAC3(沖縄タイムス) - Yahoo!ニュース

【与那国】北朝鮮が計画する軍事偵察衛星の発射に備え、「破壊措置準備命令」が出たのに伴い、政府は先島諸島航空自衛隊の地対空誘導弾パトリオットPAC3)を配備する準備作業を進めている。与那国での配備は初めてとみられ、23日には航空自衛隊のC2輸送機が与那国空港に到着した。人口2千人に満たない小さな島で、住民は国防問題に翻弄(ほんろう)されている。八重山支局・平良孝陽)

 「住民には十分に知らされず、なし崩し的に進められている」

 農家の男性(52)は怒りを表した。与那国島に空自のC2輸送機が到着。PAC3配備のことは知人から聞かされた。今でこそ、声を上げる住民も少なくないというが、男性は当初から島への自衛隊配備に反対してきた。「世間が知らぬ間に、いつの間にか配備される。これが有事なのだろう」との懸念を示した。

 

1.アメリカと日本は、軍事面での連携を強化している

 冒頭のパトリオット大隊のニュースで日本に配備しない、日本は購入済みとの内容を確認しました。2022年12月31日の記事「2022年はいろいろなことがありましたね。」の「防衛予算増額と南西諸島要塞化」で、5月の首脳会談後の軍事費増強について触れています。「アメリカ本土は自前で防衛し前線は日本が固める」構図が、鮮明になってきたと思います。

 

2.有事を理由に、なし崩し的にやりたい放題

 八重山地方へのPAC3配備について、急に決定・実行されました。あたかも事前に準備してきたかのように。そもそも宮古八重山地方の基地が完成したのは最近で、勢いに任せて設備を設置した感じです。

 

 しかし、丁寧に説明してきたでしょうか?

 あなたの住む地域に対する不利益が、閣議決定だけで実行されることにならないでしょうか?

 

 色々なことが、国会を素通りして決まっていますが、閣議決定で戦争もできる勢いです。今の日本は経済が疲弊し、所得格差が広がっています。人口も増えません。国際競争力も失いました。膨大な国家債務も抱えています。過去に類を見ない程、課題が山積しています。

 

 課題があるところには、ビジネスチャンスが転がっています。ただし、戦場に「しめしめ」はありません。投資は、戦後復興で行われます。不動産など地域密着型の投資をする際は、ミサイル配備地や基地、原子力発電所、自然災害など、場所も慎重に検討しましょう。

 

 最後に思いつく分だけ、閣議決定を載せます。

 今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

 

政府、新たな成長戦略を閣議決定 「GPIFの機動的運用を」 - 日本経済新聞

政府は24日夕、新たな成長戦略を閣議決定した。年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の資産構成の見直しや、法人実効税率の大幅な引き下げなどを打ち出した。安倍晋三政権の経済政策であるアベノミクスの「三本目の矢」を太くすることで、日本経済の成長力の底上げを狙う。

場当たり的答弁の果て…「反社」の定義は困難 政府が閣議決定|【西日本新聞me】

 「反社会的勢力」を定義することは困難だ-。政府は10日、野党議員の質問主意書に対し、こんな答弁書閣議決定した。首相主催の「桜を見る会」に反社会的勢力が出席していたとされる問題で、明言を避けるため菅義偉官房長官が繰り出した苦しい「見解」をなぞった格好。政府は2007年の指針で反社会的勢力を明確に定義しており、追及をかわそうと場当たり的に言葉の定義をあいまいにした疑いが浮かぶ。

安倍元首相の国葬を閣議決定、9月27日に武道館で 一般予備費活用 | ロイター

[東京 22日 ロイター] - 政府は22日の閣議で、参院選の応援演説中に銃撃され死亡した安倍晋三元首相の国葬を9月27日、日本武道館(東京・千代田区)で行うと決定した。松野博一官房長官が記者会見で正式発表した。

反撃能力保有を閣議決定 防衛3文書、戦後安保を転換 - 日本経済新聞

政府は16日、国家安全保障戦略など新たな防衛3文書を閣議決定した。相手のミサイル発射拠点をたたく「反撃能力」を保有し、防衛費を国内総生産GDP)比で2%に倍増する方針を打ち出した。国際情勢はウクライナ侵攻や台湾有事のリスクで急変した。戦後の安保政策を転換し自立した防衛体制を構築する。米国との統合抑止で東アジアの脅威への対処力を高める。

[視点]三権分立の崩壊 閣議決定による強権政治 | 東京保険医協会

 2022年12月16日に閣議決定されたいわゆる安保3文書の一つ「国家安全保障戦略」は、反撃能力(敵基地攻撃能力)を保有することや防衛関連予算を2027年度にGDPの2%にすることを明言した。同文書自身が述べるように、戦後の安全保障政策を「大きく転換するもの」であるにもかかわらず、国会での議論はほとんど行われなかった。それどころか、予算は国会が議決しなければ成立しないのに、岸田首相は本年1月13日(現地時間)にワシントンで行ったバイデン米大統領との会談で、防衛費の大幅増額を約束しバイデン大統領から歓迎された。

 長距離弾道ミサイルなどの敵基地攻撃能力の保有は、攻撃型兵器である空母の保有などとともに、過去の政府においても「専守防衛」の範囲を超える力であり、憲法の9条が禁じる「戦力」に当たるとされてきた。その敵基地攻撃能力を明記した閣議決定憲法違反であり無効である。それを強行し既成事実化することは、政府による憲法の破壊だと言ってよい。

 同様の憲法破壊はすでに2014年7月、安倍政権の下で集団的自衛権の行使を容認した閣議決定でも行われた。戦争を放棄し国の交戦権を認めない憲法9条のもとで、自衛隊がその実力を行使できるのは「個別的自衛権」の範囲内に限られるというのが、政府において確立した憲法解釈だった。内閣の中でしか法的拘束力を持たない閣議決定で事実上の憲法改正をしたことになる。

 「個別的自衛権」と「専守防衛」という二つの重要な歯止めを閣議決定で踏み越えたことにより、自公政権憲法9条をほぼ空文化させた。本来このような行政府の暴走を押し止めるべき立法府が機能不全に陥っていることが、こうした行政府による憲法破壊を可能にしたと言ってよいだろう。