株式会社しめしめ

日記や、経済時事ネタの評価をしています。

放蕩旦那の補足

 昨日は北朝鮮のミサイルに対しJアラートが発令され、オオカミ少年とかなんとか言われているようです。最近の台風では風が強くなる前に警報となり社会全体が止まりますので、「なにかあったらどうするんだ症候群」の現状からすれば、発令自体は悪くなかったと思います。今後、精度を上げていって欲しいものです。

 

 前回の記事「シンプルに考える」で、「日本は国債を大量に発行しているが、国民が国債を買っている間は大丈夫。放蕩旦那(日本国)に賢妻(日銀)が貸し付け(国債≒紙幣を発行)ているようなものだ」と書きました。放蕩旦那や賢妻とは何か良く分からないはずなので、補足に補足していきます。今回は、放蕩旦那です。

 

 日本の国債が1200兆円普通国債が初の1000兆円台 などと言われていますが、これは文字通り国の借金です。何に使われたのでしょうか? 詳しく調べていませんが、累積で言えば、主に社会インフラの整備でしょう。最近は社会保障費が歳出トップになっています。我々に、どのような恩恵があったのでしょうか?

 税金は、国民生活の向上に使われます。道がきれいになりました。断水が起こりにくいです。水道水が飲めます。(世界中で水道水が飲めるのは9か国・2都市)女性や子供でも、安心して夜道を歩けます。これらの一部に国債が使われ、便利になりました。その費用は施工会社を通じて国民の所得となり、個人金融資産は2000兆超えで、豊かな生活が送れるようになりました。

 

 ただし、やりすぎちゃったと思います。雨の日の山奥でも、靴を泥で汚さずに歩けます。飲める水で、トイレを流します。お金が出回りすぎて、2022年初頭から最大50%も円安が進みました。今でも30%の円安です。

 

 放蕩旦那は、国民の生活をより便利に、豊かにしてくれました。ただし、それは賢妻からの借金です。一部、海外からの投機マネーが入っていて、暴落期待の売り浴びせを繰り返しています。

 一家は、稼ぎがなくなると破綻します。国債残高がGDPの約260%の正体は、これです。さすがに、身の丈に合っていない気がします。

 

 どうしてこうなってしまったのでしょう?

 以下、蛇足ですが、いつか書いた私見を記載します。

 

 太平洋戦後の日本は、灰塵に帰した国土を復興しようと「欧米に追い付け・追い越せ」でがむしゃらに頑張ってきました。便利で豊かな生活を求め、加工貿易に心血を注ぎました。その中心は、第2次産業です。

 第2次産業は、労働力を必要とします。労働者向けの教育やマンモス団地などの住居建設、道路などの社会インフラ建設が行われました。その過程で、「大家族制 ⇒ 核家族化」となり、育児や看病、勉強など大家族が担っていた機能が、保育園や老人ホーム、塾などに取って代わられました。都市化です。

 核家族化には、内需という副産物もあります。大家族制では戸数に限りがありますが、核家族化すれば子供たちが独立するので、マイホームを持ちます。家や内装、家具、食器など、1戸で消費していたものがマイホーム分、多く生産されました。1980年第にアメリカから貿易摩擦の代償として「内需拡大アメリカ製品を買え」をごり押しされましたが、ずっと前から内需は拡大していたのです。

 

 国際収支が黒字のうちは国内経済も拡大しますが、稼ぎがなくなると途端に行き詰まります。モノが生産されなくなる(このブログでは貨幣回転率などは考慮しません)と収入が減り、都市のサービス(保育園・塾など)が利用できなくなります。大家族制の時には地域のつながりでフォローしていたこれらのサービスは、近所づきあいが希薄な都市部では機能しません。行政の子育て支援や介護などが必要となりますが、シルバー民主主義では高齢者優遇政策が優先されました。

 私は、そこに追い打ちをかけたのが「核家族 ⇒ 個人化」だと考えています。家は余っているのに農地を宅地に変えて家を建て、それに必要なモノを生産し続けます。住む人がいないと困るので、都市機能はより高度化し、社会の構成単位も核家族から個人へと細分化されました。世帯数が増加していることで、読み解くことが出来ます。こうなると結婚も子育ても個人の負担になるので、人口は増えないと思います。

 世間では「高齢者福祉を抑制して子育て支援を拡充しよう」という流れのようですが、稼げなくなった現在、大家族制の時の助け合いを復活させなければ焼け石に水だと思います。どんなに支援策が拡充されても、個人負担では限界があります。孤軍奮闘は、寂しすぎます。

 

 しつこく確認します。このブログの目的は「しめしめ」でしたね。上記社会派のような社会課題解決という視点ではなく、より「ありがとう(=お金)」と言ってもらえる分野を誰よりも早く考え、「しめしめ」しましょう。

 

 今日は長文でしたが最後までお読みいただき、ありがとうございました。