株式会社しめしめ

日記や、経済時事ネタの評価をしています。

ニュースの価値とは?

 サッカーワールドカップのベスト4が出そろったのに、日本が敗退してから一気に熱が冷めてしまった微妙な年末です。いかがお過ごしでしょうか?

 

 12月6日に、沖縄県那覇市の「おでん東大」の店主が娘夫婦に殺害され娘夫婦逮捕、というニュースが連日トップニュースで報道されていました。被害者のご冥福をお祈りしますが、果たしてトップニュース級だったでしょうか?

 その裏で、12月10日に旧統一教会 被害者救済法が成立しました。国会で連日野党からの追求が続き岸田総理が回答に窮しているように見えていましたが、「おでん東大」事件は救世主だったのでしょうか? 12/9には防衛省、世論工作の研究に着手 AI活用、SNSで誘導というニュースもありましたが、国民の反応はイマイチなようです。

 

防衛省、世論工作の研究に着手 AI活用、SNSで誘導(共同通信) - Yahoo!ニュース

中国やロシアなどは「情報戦」に活発に取り組む。防衛省は、日本もこの分野の能力獲得が必要だと判断した。改定される安全保障関連3文書にも、情報戦への対処力向上を盛り込む。

 

 さて、本題です。2021年3月に米軍司令官が、6年以内に中国が台湾に侵攻する可能性があると発言しました。日本でも大きく取り上げられたので、覚えている方も多いと思います。

「中国は6年以内に台湾侵攻の可能性」 米軍司令官証言の現実味

「6年以内に中国が台湾を侵攻する可能性がある」。米インド太平洋軍のデービッドソン司令官が3月9日、米上院軍事委員会の公聴会で行った証言だ。

 

 それまでも宮古八重山地方に自衛隊の基地を作り前線化していましたが、上記発言により議論が活発化しました。台湾有事はあり得ないとか、早ければ年末には侵攻が開始されるとか、いろいろな情報が飛び交っています。私は、「日本が軍事力を増強し台湾有事の矢面に立つ」というシナリオアメリカ側で立てられ、そのシナリオに沿って事態が進展している、と思います。

 

 12/13に岸田首相は、防衛費増額の一部は増税で賄うと、閣議決定の上、発表しました。増税は国民に支持されにくいので、高市経済安全保障相や西村経産相らは反対意見を出しました。アメリカ側のシナリオに沿っているのなら防衛費増額は不可避ですが、閣議決定に反する意見を表明するのは、政局を意識したものと思います。

 

高市氏「罷免されるのであれば仕方ない」…増税巡るツイート「間違ったこと言っていない」

 高市氏は10日、「(企業の)賃上げマインドを冷やす発言を、このタイミングでした真意が理解できない」などと投稿していた。

西村経産相「増税は慎重に」 防衛費財源めぐり改めて主張

 西村康稔経済産業相は13日の閣議後の記者会見で、防衛費増額の財源として法人税増税が検討されていることについて「今は賃上げ、投資に集中し、成長軌道に乗せて税収の上振れにつなげるべきだ。このタイミングでの増税は慎重になるべきだと申し上げている」と述べ、従来の考えを改めて示した。

 

 増税は国民の不興を買い政局化しかねないのに、岸田首相はなぜ増税を口にしたのでしょうか。以下、私の憶測について、記載します。

 

 岸田首相が増税と言ったのは、国債を発行すると言いたくなかったのではないか、と思います。

 2023年4月に日銀総裁が代わり、国債の利率が上がると予想されています。その時に投資家による国債売り浴びせが起きることは、容易に想像できます。そうなると、国債の利率が予想以上に上がる(国債の価値下落)かもしれません。防衛費増額を全て国債で賄うことで投資家の売り理由に使われることを、岸田首相は恐れたのではないでしょうか。

 今日、国債の約半分を日銀が保有しています。国債の利率が上がる(国債の価値下落)ことになれば、日銀の含み損が一気に膨れ上がることになります。これが発端となり円の価値が下落(インフレ)すると、財務省が最も恐れるキャピタルフライトが起こるかもしれません。もしキャピタルフライトが起こると、資産課税やデノミなどの可能性が一気に高まります。

 

まもなく日本円は紙くず化する…この半年で5兆円超の資産価値を失った日本銀行が債務超過で潰れる日(プレジデントオンライン)

 日銀が11月28日に発表した4~9月期決算によると、保有国債時価評価すると8749億円もの含み損が発生した。

 日銀は必死の「指値オペ」(定めた値段で売ってくる国債を無制限に買い取るオペ)で長期金利上昇を防いでいた。9月末は、なんとか評価損の発生を回避できたかと思っていたが、無理だったようだ。

 

 今回の見出し「ニュースの価値とは?」をまとめると、複数のニュースをつなげて考えると、見えていなかった情報が浮き出てきます。自分なりにシナリオを考え、必要があれば対策することが重要だと思います。時間が経つと関連したニュースや報道が出てくるので、自分のシナリオと合っていたか、間違った点はどこかを確認することで、予想の精度を上げることができます。

 これこそが、私の考えるニュースの価値です。皆様も、頭の体操として取り入れてみてはいかがでしょうか。

 

 蛇足ですが、気になるニュースがありました。沖縄では、家賃保証会社に加入させているのに保証人もとるという、不思議な商習慣があります。そのうち、やーちゅー(お灸・やけど)されるかもしれません。

家賃滞納による明け渡しは「不当」…最高裁、保証会社の「追い出し条項」で初判断(読売新聞オンライン) - Yahoo!ニュース

 賃貸住宅の借り主が家賃を2か月以上滞納するなどした場合に、部屋を明け渡したとみなす家賃保証会社の「追い出し条項」の是非が争われた訴訟の上告審判決が12日、最高裁第1小法廷であった。堺徹裁判長は「消費者の利益を一方的に害する」と述べ、消費者契約法に基づき条項の使用差し止めを命じる初判断を示した。借り主の保護を重視した判決で、不当契約の抑止につながるとみられる。

 

 今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。