株式会社しめしめ

日記や、経済時事ネタの評価をしています。

今日でウクライナ戦争が1年経った世界の状況について

 トルコ・シリア大地震の犠牲者が5万人を超え、大変な状況になっています。そんな中、ウクライナ戦争が1年を迎えたとの報道が、多数なされています。気分が暗くなるようなニュースばっかりですが、冷静に現状を把握し、「しめしめ」しなければいけません。

 

 近現代史の視点からロシアの軍事行動に対する分析をしている記事を、見つけました。大切なところを、以下、一部抜粋しています。

なぜ世界はここまで「崩壊」したのか…「アメリカ」と「ロシア」の戦いから見る「ヤバすぎる現代史」(玉置 悟) | 現代新書 | 講談社(1/5)

 1991年の分離独立後、平均的なロシア国民の消費はわずか1年で40パーセントも減少した。1998年までにロシアの農業のおよそ80パーセントが破産し、7万ヵ所の工場の操業が止まり、トラクターの生産が88パーセント、洗濯機の生産は77パーセント、綿の布地の生産も77パーセント、テレビの生産は78パーセントも減少した。ロシアのGDP(国内総生産)は分離独立後の最初の数年間に50パーセントも低下し、通貨は紙切れ同然になった。

 

 一方アメリカでは1992年の大統領選挙で番狂わせがあり、ブッシュ(父)が敗れてビル・クリントンが当選した。クリントン時代のアメリカは、ブッシュの時代のような地政学的な世界支配にではなく、金儲けに邁進した。もちろんそれもアメリカが単独の超大国となったからこそできたことだが、新自由主義自由市場がますます唱道され、ハイテク時代の訪れも相まってファンドが巨大化し、アメリカの大手金融機関による世界の金融支配が進んだ。

 

 アメリカ一極支配の時代になったと信じたブッシュ(子)政権は、2001年に起きた同時多発テロをきっかけに「テロとの戦争」を始めてアフガニスタンに出兵し、クリントン時代に冷や飯を食わされていた安全保障関係の企業に青天井の天文学的な額の予算が与えられた。ブッシュ(子)は「テロリストだけでなく、テロリストをかくまう国も攻撃する」と宣言し、「あなたの国は我々とともにいるのか、それとも彼らとともにいるのか」として「味方でないなら敵」という中間を認めない二元論で踏み絵を迫った。ハイテクを駆使した監視システムが世界中で大ビジネスとなり、怪しげな民間軍事会社が急成長したのもこの時期だ。

 統一後のドイツは経済成長を続け、2000年代にEUの事実上の領袖となったが、ロシアから安い石油やガスを輸入して産業を発展させ、製品を中国に輸出するというビジネスモデルは、ウクライナ紛争が始まった直後の2022年3月に失速した。アメリカからロシア制裁を強制されて石油やガスが輸入できなくなったドイツの産業や経済は急速に衰えつつあり、中国との貿易もアメリカから強い圧力を受けている。

 強国としてのし上がろうとするたびにアメリカにつぶされるというドイツのパターンがまたくり返されているように見える。第一次世界大戦第二次世界大戦に続き、ドイツは3度目の敗戦を迎える可能性があり、ドイツが弱体化すればEUも危うくなる。

「ウクライナ紛争」が発生した「本当のワケ」――ロシアを激怒させ続けてきた欧米(玉置 悟) | 現代新書 | 講談社(1/6)

翌1991年3月になっても、イギリスのメージャー首相はゴルバチョフに「我々はNATOの強化など話し合っていません」と断言していた。後にソ連の国防相が「東欧諸国はNATOに入りたがっているのではないか」と質問すると、メージャーは「そんなことは一切ありません」と否定した。同年の7月にソ連最高会議の議員たちがブリュッセルNATO本部を訪れて事務総長と会談した時も、事務総長は「我々はソ連をヨーロッパ共同体から孤立させるべきではないと考えており、私もNATO会議もNATOの拡大には反対しています」と語っていた。

だがCIAのロバート・ゲイツ長官(後にブッシュ[子]政権・オバマ政権の国防長官)は、「ゴルバチョフNATOの東方拡大はないと信じ込まされている間に、彼らはそれを押し進めていた」と批判していた。NATOがロシア国境に向かって拡大を始めたのは、東欧からソ連軍が引き揚げ、ワルシャワ条約機構が解散してから8年後の1999年だった

 

ウクライナでは2014年に政権転覆クーデターが起きた後、東部のロシア系住民が住む地域でロシア系住民の民兵ウクライナ軍の武力衝突が発生した。紛争を解決するため、2015年にロシア、ウクライナ、ドイツ、フランスの間で「ウクライナ政府はドイツとフランスの監督のもとで、東部のロシア系住民が住む地域の自治権を認める法律を制定する」というミンスク合意がなされたが、ドイツもフランスもウクライナも行動せず、武力衝突は止まらなかった。むしろウクライナ軍とロシア系住民の民兵組織の戦闘は激化し、ウクライナ東部は内戦状態になった。ウクライナ軍はロシア系住民が住む地域に砲撃を続け、8年間に1万数千人のロシア系住民が殺された。ミンスク合意は反故にされたのだ。

2021年12月上旬、ロシアのプーチン大統領アメリカのバイデン大統領からの電話会談のリクエストに応じ、「これ以上NATOをロシアとの国境に向けて東に拡大しない」との「法的拘束力のある保証とその成文化」を要求し、「ロシアのレッドラインはウクライナにも適用される」と伝えた。バイデンは返答しなかった。

 

2022年になるとウクライナ軍はロシア系住民地域を総攻撃するために主力部隊を東部に移動させ、ウクライナゼレンスキー大統領はNATOへの加入を申請し核武装する意思があると発言した。ウクライナ軍の攻撃が迫った2022年2月24日、ロシアは軍を侵攻させた。

 

米英はなぜこのように危険な「現代のグレートゲーム」を続けているのか。ブッシュ(子)政権時代に国務長官を務めたコンドリーザ・ライスは、以前こう語ったことがある。

「ロシア人は世界の人口の2パーセントでありながら、ロシアは地球の陸地の15パーセントを占め、おもな天然資源の30パーセントを保有しています。私たちはこのような状態を永遠に続けるわけにはいきません」

戦後の世界を形作り、今日の世界を動かしているのは、欧米支配層のこうした考えではないだろうか。

 

 2022年11月28日のグレートリセットについて考えてみた では、ウクライナが2/16からウクライナドンバス地方にミサイルを多数打ち込んでいたとの報道を引用しました。報道だけでは全体像が良く分かりませんが、ニュースや報道を表面的になぞっているだけでは、状況を読み誤るかもしれません。

※戦争で人を殺めるという行為自体は決して容認できるものではないので、人道的な話ではないことにご留意ください。

 

 というのも本日のG7で、これまでの支援を含め総額390憶ドルへの支援増額を決定しています。何を心配しているかと言えば、2/16のきな臭い記事が出ていますよで、「日本一国では中国とも北朝鮮とも戦争になる理由や可能性はほとんどないということである。 (略) にも関わらず「台湾有事は日本有事」と言われ…米中対立の具体化である台湾有事に日本が米側陣営の片棒を担ごうとするからだ」と評されています。私は報道による世論形成に一抹の不安を感じると同時に、世界的な世論も操作されかねないと危惧しています。最悪の結果は、日本の台湾有事参戦です。「しめしめ」するためには、平和でなければいけません。世界情勢にも、気を配りましょう。

 

 暗い話ばかりでは面白くないので、最後は「油は太る」はウソだった…ダイエットに失敗する人が知らない「ヘルシーな食事ほど太る」というワナ(プレジデントオンライン)を読んで、自分に優しくなりましょう。

 

 今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。